大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和27(オ)522 判決

主 文

原判決を破棄する。

本件を仙台高等裁判所に差戻す。

理 由

上告代理人の上告理由は末尾添附別紙記載のとおりである。

論旨は憲法違反をいうが、その実質は判断遺脱の主張に帰着する。ところで上告

人は原審において予備的に「仮に右債務者(上告人)の主張が容れられないときに

は、債権者(被上告人)が本件で保全しようとする権利は金銭的補償で目的を達せ

られるのであるから、債務者が相当の保証を立てることを条件として本件仮処分の

取消を求める」旨主張したことが記録上明白である。しかるに原審が右特別事情の

有無について審理判断することなく、たやすく本件仮処分決定を維持したことは判

断遺脱の違法があり、該違法は主文に影響のあることが明らかであるから、原判決

は破毀を免れない。

よつて民訴四〇七条に従い裁判官全員の一致で主文のとおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

- 1 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!